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ロキソニン、第1類据置の意味考えて

2014年11月28日 (金)

 今月14日に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全部会で、第1類として、薬局などで市販されている解熱鎮痛剤の「ロキソプロフェンナトリウム水和物」のリスク区分が審議され、今年8月末に下部組織である安全対策調査会がまとめた指定第2類に引き下げる案を退ける格好で、第1類に据え置くことが決まった。

 対象製品は、「ロキソニンS」の名称で、第一三共ヘルスケアが2011年1月から販売するスイッチOTC薬。8月の安全対策調査会では、既に指定第2類に分類されているイブプロフェンやアスピリンなどの解熱鎮痛剤と比較しても特に注意が必要な副作用が認められなかったことから、▽妊娠末期の女性に対し禁忌であること▽長期連用しない――などの情報提供を確実に行うことを条件に、指定第2類に引き下げることが適当とする案をまとめていた。

 その後のパブリックコメントでは、指定第2類に賛成する意見は少なく、むしろ、鎮痛作用が強い同剤は長期使用による乱用のほか、20代から40代の女性が多く使用していることから妊娠中や授乳中の女性への影響が懸念されることなどから、リスク区分を第1類のままとすべきとする意見が多く寄せられていた。

 同日の部会でも、医師会関係者から、ロキソニンが他の鎮痛剤に比べ出荷数も多く、第一選択薬に近い状態になっている点が指摘され「家庭にストックされている可能性が高く、妊婦が服用してしまうことは考えられる」とし、リスク区分の引き下げに慎重な姿勢が示された。

 一方で、「ロキソニンS」の年間販売額は約40億円(14年3月期)で発売以来、毎年売上高を伸ばしている。低迷傾向が続くOTC薬市場の中にあって、同社ヘルスケア部門を牽引する製品にまで成長している。それだけに、同剤の指定第2類への移行で販路がさらに広がると期待していた流通関係者も少なからずいたかもしれない。

 ただ、家庭にストックされているケースでは、薬剤師による情報提供を伴う販売が行われていたとしても、消費者の手に渡って以降の服用についてさらに注意喚起を促すことは現実的には、なかなか難しいと思われる。

 「ロキソニンS」は、薬局、ドラッグストア店頭で販売される解熱鎮痛剤の中でも比較的ポピュラーな製品だ。今回、妊婦への影響が懸念されることなどを理由として、第1類に据え置かれた形となる。その是非に対する考え方は様々かもしれないが、販売時に薬剤師による情報提供が必要と判断されたわけだ。

 今回の件は、店頭で、数多く配置されている一般薬の一つひとつが、どのようなプロセスを経て、リスク区分が行われているかに気づきを与える良い機会だったのかもしれない。

 全ての薬局、ドラッグストアの薬剤師が、その意味を確認しつつOTC薬の販売業務に携わっていくことを期待したい。




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