東京慈恵会医科大学は12日、元循環器内科の望月正武教授の研究グループが実施した降圧剤バルサルタンの医師主導臨床研究「Jikei Heart Study」に関し、追加調査を行った結果、非バルサルタン群にイベント報告が多くなるよう意図的操作がなされた可能性も存在するとし、「不適切なデータから誤った結論が導かれている」と結論付ける最終報告書を発表した。これを受け同大は、研究責任者だった望月正武元教授の客員教授待遇を取り消す。
同研究は、バルサルタン群で脳卒中や心筋梗塞などのイベント発生数が少なかったとの成果を英ランセット誌に論文掲載したが、エンドポイントの採用方法や血圧値の標準偏差などに疑義が示された。これを受けた同大の調査委員会による中間報告では、血圧値のデータについては人為的に操作が行われたとしたが、イベントデータについては「人為的な操作が行われたとは考えられない」と結論付けていた。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。