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インターネット「薬局」の24%が1類薬扱う‐共立薬大が実情を調査

2006年04月19日 (水)

 薬局を名乗って一般用医薬品のインターネット販売を行っていたサイトの24%で、薬剤師のみが扱える第1類医薬品を販売していることが、共立薬科大学社会薬学講座の福島紀子氏、丸岡弘治氏らの調査で明らかになった。取り扱われている一般薬を薬効別に見ると、精力剤などの滋養強壮薬、水虫薬などの外皮用薬が多かった。福島氏らは、規制がない中でのネット販売に警鐘を鳴らすと共に、サイトの安全性を保証する何らかの第三者機関が必要と提唱している。

 調査はホームページにおけるOTC薬販売の実態を明らかにすると共に、今後のインターネット販売のあり方を検討することなどを目的に行われたもの。福島氏らは既に2001年に、薬局ホームページにおけるネット販売に関する調査を行い、薬剤師による説明が行われない状況下での医薬品販売の問題点を指摘している。今回は4年前の調査結果を踏まえて、さらに踏み込んでネット販売の実態を探った。

 薬事法改正の審議が進められている現在、医薬品販売を取り巻く環境は4年前とは大きく異なっている。調査を行うに当たって福島氏は、「医薬品販売制度見直しの方向が固まり、薬剤師が関わらなくてはいけない範囲が明確になったともいえる。しかしインターネット販売については、まだまだ制度が現状に追いついていない面が多い」とし、規制のないネット販売の現状を憂慮する。

 調査は“薬局”を名乗るホームページ3468件を対象としたが、3468件のうち、実際に通信販売を行っていたのは279件だった。279件の中で最も多かったのは健康食品を取り扱うサイトで、次いで医薬品、化粧品、介護用品の順だった。

 医薬品の内訳としては一般薬の取り扱いサイトが最も多く、次いで漢方製剤、薬局製剤であり、医療用医薬品も一部あったという。取り扱われている一般薬を薬効別に見ると、精力剤などの滋養強壮薬、あるいは消毒薬や水虫薬などの外皮用薬が最も多かった。

 また販売されている一般薬を、医薬品販売制度改正検討部会が作成したリスク分類に従って区分すると、一般薬を取り扱うサイトのうち、24%が第1類医薬品を販売していることが判明した。また第2類医薬品を取り扱っていたところは88%に上った。

 第1類医薬品の内訳は、泌尿生殖器および肛門薬の取扱いサイトが最も多かった。次いで外皮用薬で、ほとんどが消毒薬に属するものだが、水虫薬や発毛剤などもあった。残りは滋養強壮保健薬、H2ブロッカー等の消化器官用薬であった。なおホームページによって医薬品の取り扱い件数に幅があり、101300種類と非常に大きな開きが見られた。



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