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健康意識、適切な普及が大切

2006年5月22日 (月)

 生活習慣病という言葉が浸透してきた中で、最近よく耳にするのが、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)という新たな疾患概念だ。内臓脂肪の蓄積に高脂血症や高血圧、高血糖などが重なると、心疾患や糖尿病などの生活習慣病に進行する危険性が高まるということから、マスメディアで紹介される機会も増えている。

 厚生労働省がこのほど発表した2004年国民健康・栄養調査では、メタボリックシンドロームの有病者と予備軍が、いかに多いかという現状を知ることとなった。調査は04年11月、全国から無作為に抽出した20歳以上の男女約3900人を対象に実施したもので、40代以上では男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームの有病者あるいは予備軍とされた。この原因とされるのが、栄養の摂り過ぎと運動不足による脂肪の蓄積であり、日頃の生活習慣が大いに影響しているといえよう。

 現在、薬業界のみならず、幅広い分野の関係者がセルフメディケーションの推進に取り組んでいる。個人が普段から自分自身でケアし、健康で豊かな生活を送ることがセルフメディケーション本来の目的であり、病気にならない生活習慣づくり、つまり“予防”の大切さを国民の意識に浸透させることにある。言葉からは、どちらかというと自己治療的な解釈がされがちだが、薬を使って病気やケガの手当てをすること以上に、食生活を含む日常生活のケアが重要となる。

 日本大衆薬工業協会が全国1000人を対象に行った意識調査では、セルフメディケーションという言葉の認知度は65・5%で、ほぼ3人に2人の割合に達している。しかし同協会では、「まだまだ満足できる数字ではない」という。見方を変えれば、内容を詳しく知っている人は7・6%、内容をある程度知っているという人は25・7%であり、認知しているとはいっても、その多くは「言葉だけは聞いたことがある」(32・2%)という実態だ。

 先日、あるテレビ局の健康情報番組で、白インゲン豆を使うダイエット方法を試した視聴者から、下痢や嘔吐などの症状が出たとして、同局に苦情が相次いでいるとの報道がなされた。これは素材の加熱時間等も原因のようだが、ある面で健康やダイエットに対する意識が、過剰に高まっている傾向も見受けられる。

 特に最近では、バイブル本的なケースも含め、健康食品絡みの薬事法違反の摘発が目立ってきた。十分な研究開発・製造販売体制で臨んでいる健康食品メーカーからは、「一部の不適切な違反事例が、市場拡大に影響しなければいいが」と、憂慮する声も聞かれる。

 薬に関する知識を学校教育の中で取り入れてもらおうと、大衆薬協は今まで高校生向けの副読本やビデオ教材を作成・配布してきたが、今後は小中学校向けも検討していくという。また栄養士などの関係者で“食育”へ積極的に関わっていこうとする動きも出ているようだ。

 セルフメディケーションの浸透は、医療・健康を取り巻く様々な専門家たちの連携なくしては実現できない。その中で地域に密着し、気軽に健康相談に応じられる薬局・薬店、ドラッグストアの存在が、非常に重要な位置を占めてくることを再確認しておきたい。




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