武田薬品は16日、英アストラゼネカ(AZ)に呼吸器系疾患事業を売却すると発表した。売却額は5億7500万ドル(約700億円)で、来年3月までに手続きを完了する予定。主に販売・マーケティングを担当する従業員約200人が移籍する。「消化器領域疾患」「癌」「中枢神経系疾患」「代謝性・循環器系疾患」の4領域に絞り込み、新薬事業への集中を図る。
武田は、主力製品であるCOPD治療薬「シムビコート」などを販売し、呼吸器疾患領域を重点領域とするAZに対し、COPD治療薬「ダクサス」(一般名:ロフルミラスト)、「アルベスコ/オムナリス」(一般名:シクレソニド)を中心とした呼吸系疾患領域製品を譲渡する。この2成分の2014年度売上実績は約240億円で、呼吸器系疾患領域事業全体の大半を占めるという。同領域で臨床開発品目はないが、複数の前臨床段階にある化合物が移管される。日本での販売製品はなく、国内での影響はない。
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