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期待したいMR教育の充実

2007年11月30日 (金)

 医薬品とは一般商材に比べて本当に手間がかかる商品だと痛感させられる。世に出るまでに研究開発に雌伏10年、やっと市場に出てきても単純に売ることはできない。そこには、効能・効果、用法・用量などの使用上の注意から始まり、医療用ともなれば、医師等に対して効果的かつ安全性を重視した適正使用に関する情報提供(副作用情報の収集も)が必要となる。

 消費者の利便性向上という大義名分を授かった規制緩和に翻弄させられて、一般薬の一部は薬剤師が常駐していないスーパーやコンビニなどでも購入できるようになる。そこで登場したのが、リスク分類と登録販売者制度であり、リスクの低い薬は、登録販売者が扱える。来年4月の施行に向け、関係者による組織化の動きは慌ただしく、また、希望者全員が一斉に受験できるのかなど、試験実施体制への不安と不確実な情報が交錯している。

 医療用医薬品は、さらに複雑な様相を呈する。製薬企業(またはCSO)からは医薬情報担当者(MR)が、医療機関に出向いて医薬品の情報を提供している。本来は営業職であり、自社製品を売り込むためとはいえ、過剰なまでの営業活動を行っていた時代もあった。

 情報提供しているのか、家事手伝いをしているのか分からなかったとも聞くから、相当度が過ぎていたのだろう。業界も座して静観していたわけではなく、倫理綱領、公正競争規約を策定したほか、公取委は独禁法ガイドラインを、業界の公取協は公正販売活動指針を策定(これでMRの納入価格への関与は禁止された)するなど、改善に動いていた。現在の販売は、MRとの緊密な連携の下、医薬品卸のMSが担っている。

 製薬業界は、このプロパの芳しくない実態とイメージを払拭するため、MRと改称すると共に、教育研修制度を充実強化して質を向上させ、第三者機関が資格を認定する制度を創り上げていった。この教育研修と認定の両制度を支えているのが医薬情報担当者教育センターである。

 12月1日、任意団体だった同センターが財団法人となって10年を迎える。

 この10年間(正確には財団になる以前からだが)、MR研修テキストの作成、認定制度の効率化・円滑化などに尽力してきた。今は、今年3月に公表した「MR教育研修制度及び認定制度の抜本的改革報告書」に基づく改革をスタートさせており、その第一弾は来年から実施されるMR認定試験の受験資格拡大である。

 製薬企業の社員だけでなく、広く一般社会人へと門戸を開放するもので、業界内だけでMRを育成してきたこれまでの姿勢から大きく変換するものであり、画期的とも言える。

 さらには、学生への門戸開放についても、検討の俎上に載っているようだ。現在のMRが優秀でないことはないが、優秀な人材を早期に確保する意味からは、有効な手段の一つと考えられる。

 MR教育センター創設以前から、MRの教育研修、認定制度を強力に支援してきた高久史麿理事長は、「MR制度ができてよかった」と嬉しさを隠さない。長年の努力が積み重なり、今では高い信頼性を獲得している。今後も、導入教育のコアカリキュラム策定、それに基づく新テキスト作成と改革は続く。患者目線に立ったMR活動の展開に向けて挑戦する同センターに大いに期待したい。




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