日本集中治療医学会学術集会が3月9~11日の3日間、札幌市内で開かれる。多職種が集う同学会で、多数の薬剤師関連セッションが企画されたことが特徴だ。6500人以上の医師、2500人以上の看護師ら1万人以上の医療従事者が同学会に所属する中、薬剤師の会員数はまだ約50人しかいないにもかかわらず、今回豊富なプログラムが組まれたことは「薬剤師に対する期待の表れ」と関係者は語る。
教育講演「集中治療への薬剤師常駐による効果」では入江利行氏(小倉記念病院薬剤部)が、エビデンスを示しながら集中治療における薬剤師の必要性を説明する。企画セミナー「薬剤師と考える感染症治療」では、重症病態や急性腎障害時の抗菌薬治療について4人の薬剤師が解説する。同セミナー「集中治療における専任薬剤師」では、地域病院や大学病院に勤務する薬剤師と医師が、それぞれの薬剤師業務や期待される薬剤師像について発表する。このほかシンポジウムとして「CRRTにおける薬剤の用量調節」「病棟薬剤業務実施加算2」が予定されている。
同学会は昨年、集中治療業務における薬剤師活動の確立を検討したり、教育を行ったりする組織として「集中治療における薬剤師のあり方検討委員会」を設置した。昨春の診療報酬改定で、集中治療領域での病棟業務に対して「病棟薬剤業務実施加算2」が新設されるなど、チーム医療の一員としての薬剤師の役割に注目が集まっている。