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健康寿命延伸産業の確立へ始動

2017年3月24日 (金)

 日本医薬品卸売業連合会の大衆薬卸協議会はこのほど、2025年を見据えた「セルフケア卸将来ビジョン」を公表した(22日号既報)。ビジョンで目指すは“健康寿命延伸産業として市場拡大と新市場創出への貢献”である。

 厚生労働省の健康日本21(第二次)分析評価での健康寿命は、2013年において男性71.19年、女性74.21年となっている。平均寿命の男性80.21歳、女性86.61歳と比較すると、それぞれ9.02歳、12.40歳の格差があり、しかも年々広がっている。健康日本21の目標(22年度)は、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加=格差縮小・反転だが、現状では逆に格差は拡大している。

 大衆薬協がセルフケア卸を標榜するようになったのは昨年からである。その時点でも大衆薬の売上構成比は半分を切っていたが、今回報告された15年度調査結果では、医薬品は24.45%と4分の1に過ぎず、日用品雑貨・化粧品が半数近い48.99%を占めており、もはや、大衆薬卸という看板も考えなければならないほどの環境変化に晒されている。

 今回の将来ビジョンは、この環境変化をチャンスと捉えるポジティブな姿勢で策定されていることは注目に値するだろう。セルフケア卸セミナーでは松井秀夫会長が、「われわれセルフケア卸が、健康寿命延伸産業の中核となって生活者に貢献していく」とあいさつしたように、これからセルフケア卸は存在意義を高め、積極的かつ主導的に関わっていく考えである。

 実際に健康寿命を延ばすためには何が必要なのか。ビジョンでは、高齢になっていく過程で今の健康生活を続けていける取り組みについて、セルフメディケーション、健康生活支援、介護の各領域ごとに様々なアプローチを提示している。

 セルフメディケーション領域では、大衆薬卸としての本領を発揮できるOTC薬や指定医薬部外品による軽度疾病の治療、重症化予防を図る提案を行っていく方針だ。セルフメディケーション税制が追い風となるか。

 さらに、身体機能の低下に着目した生活習慣病対策としてバランスの良い食事、サプリメント、機能性食品の品揃えと使用シーンの提案を行うほか、スポーツ・運動による体力強化、健康的な身体づくりに関連する幅広い商品で新規顧客を取り組むという、これまでにない新たな戦略も展開する。

 セルフケア卸は、大衆薬を中心としたかつての業態から脱却して、セルフケア関連商品全般を扱い、商品とサービスを提案・提供していく道を歩み始めた。大衆薬協は、「高齢化、人口減少が進んでも“健康寿命の延伸”に関わる市場のポテンシャルは大きい」と将来性ある市場だと読む。

 卸機能の向上や流通の最適化にも同時に取り組むセルフケア卸。今後の実効ある取り組みに期待したい。




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