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新販売制度に向け薬業界は結束の時

2008年2月22日 (金)

 来年度からの新たな一般用医薬品販売制度の完全実施に向け、厚生労働省は販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会を設置し、その初会合が先頃開かれた。リスク分類に基づいた消費者への情報提供から、販売環境の整備など検討課題は多いが、4月には報告書をまとめる方向で、いよいよ“詰め”の段階に入った感だ。

 今回の新販売制度をめぐっては、他業種も医薬品が扱えるようになり、さらに競合が激しくなるとの見方もあるが、「この改正薬事法をどう生かすかによって、ドラッグストア業界が大きく変わってくる」と指摘するドラッグストア関係者も多い。薬剤師を中心に登録販売者を加えた販売体制の充実によって、専門性のある“かかりつけドラッグストア”を構築して、より他業態との差別化を顕著にしていこうというものだ。

 改正薬事法の特徴の一つとして、登録販売者の新設がある。一般用医薬品のリスク別3分類も、登録販売者なくしては機能しない。同制度をスムーズに社会に定着させるためには、資質を持った登録販売者が欠かせない。この登録販売者が数多く誕生することのメリットについて、某大手ドラッグトップは「長時間営業ができ、夜間の需要の掘り起こしもできる。調剤併設型という専門性に加えて、こうした利便性・コンビニエンス性の可能性が高まる」ことを挙げている。

 こうした中で、日本大衆薬工業協会は今月9日、都内で市民公開講座を開催し、約400人が詰めかけた。同講演会は、OTC医薬品の活性化が一つの目的であり、中高年を中心に関心が高まっているメタボリックシンドロームの解説と共に、OTC医薬品の上手な使い方や注意してほしい点など、「ヘルスケア」に関する話題を提供した。

 講演では厚労省担当官から改正薬事法のポイントが解説され、2009年度からの新販売制度では、店頭で購入できる医薬品がリスクに応じて3段階に分類されること、新たな専門家の仕組みを設けることなど、購入者の視点に立った環境整備を行政、関係業界が現在進めていることを紹介した。講演の合間には、例えば「セルフメディケーション」「OTC医薬品」などの言葉の認知度を参加者に聞く試みも行ったが、ある程度の理解は示されたとはいえ、さらなる普及の必要性を感じさせた。

 会場ロビーでは、OTC医薬品の製品展示や大衆薬協のホームページなどもアピールしたが、新販売制度の解説の後だったこともあり、日頃購入しているOTC医薬品を改めて手にとって注意書きの部分を見直したり、新たな販売制度について熱心に質問する姿も多かった。

 冒頭の販売体制検討会に先立ち、昨年からドラッグストア業界や小売関係団体、大衆薬協などが参画する「日本薬業連絡協議会」では、生活者視点に立った新販売制度の検討、協議を続けてきた。メーカー・卸・小売が一つのテーブルで話し合う、薬業界の横断組織といえる同協議会の活動を今後も期待すると共に、改正薬事法の円滑な運用には、国民への十分な周知と理解が欠かせない。

 今年は製・配・販、そして官・学までもが結束して事に当たる重要な時期であることを、市民公開講座が示したといえよう。




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