塩野義製薬は29日に、アトピー性皮膚炎の重症度を評価する体外診断用医薬品「アラポートTARC」を新発売した。
「アラポートTARC」は、ケモカインの一種でアトピー性皮膚炎の症状を増悪させる“TARC”を、簡便に測定できる免疫学的検査用キット。TARC値を用いたこれまでの多施設間臨床試験では、従来の血液検査値(総IgE、LDH、好酸球)に比べて、標準的な治療による皮膚症状の変化の程度を、短期間でしかも的確に反映して推移することが確認されている。
新製品の特徴は、[1]簡便な血液検査によってアトピー性皮膚炎の重症度評価の一助となる[2]専用機器などの特殊な装置を必要とせず、研究室、病院・検査室などの施設で、簡便操作かつ少量検体(50μL)での測定が可能[3]アトピー性皮膚炎患者の血清TARC測定に適した12508000pg/mLの測定範囲のため、高値検体を希釈する頻度が少なく効率的――など。
塩野義製薬では、「アラポートTARC」の発売により、「クラリチン」「リンデロン」などのアレルギー性疾患治療薬と共に、アレルギー性皮膚炎の診断から治療までの幅広い貢献を目指す。