兵庫県薬剤師会とシスメックスなど3者は10日、災害時における医薬品供給車両の運用を目的とした協定書を締結した。災害発生時にシスメックスが保有するデモ用の4トン車1台を兵庫県薬に無償で貸し出す。兵庫県薬は薬剤棚、散剤分包機、水剤調剤設備、保冷庫などをその車に搭載し、被災地で医薬品の調剤と供給を行って被災者を支援する。各地で運用されているモバイルファーマシーに比べて容積が3~4倍大きいため、大型の高機能調剤機器を搭載したり、一般薬を積み込んだりできる。自ら車両を保有せずに済むため、低コストで運用できることもメリットだ。
シスメックスはこの車に自社の検査機器を搭載し、年間約20回各地に出向いて医療機関を対象にデモンストレーションを実施。非使用時には神戸市西区に配置している。災害が発生し兵庫県薬から利用要請を受けると、同社は検査機器を車から取り外すなど、災害発生から数日経過後には利用できるように整備して兵庫県薬に貸し出す。
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