米ギリアドサイエンシズは、癌の細胞療法薬に強い米カイトファーマを買収すると発表した。買収額は119億ドル(約1兆3000億円)で、年内には手続きを終える予定。C型肝炎やHIVなどの感染症領域に加え、癌領域の強化を進めるギリアドだが、血液癌領域で今後拡大が期待されるキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法の開発を進め、米国承認を控えるカイトの獲得に巨費を投じた。
カイトは、患者自身の血液からT細胞を採取し、癌細胞や特定抗原を発現する他のB細胞を攻撃するよう遺伝子がコード化されたT細胞を使った自家細胞療法のCAR-T細胞療法を開発している。開発パイプラインでは、悪性リンパ腫細胞の表面に発現している抗原「CD19」を標的とするCAR-T療法「KTE-C19」が最も先行しており、米FDAに非ホジキンリンパ腫適応で申請中で年内の承認取得を見込み、欧州でも2018年の承認を計画。日本では第一三共が開発・販売権を保有している。
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