薬剤料は初めてマイナスに
厚生労働省は15日、2016年度の医療保険と公的負担医療分を合わせた概算医療費が41.3兆円になったと発表した。前年度に比べて約2000億円減、伸び率で0.4%減となり、14年ぶりに減少した。15年度に高い伸びを示したC型肝炎治療薬の抗ウイルス剤の薬剤料が大幅に減少したことに加え、診療報酬改定や高額薬剤への特定市場拡大再算定などが影響した。調剤医療費(電算処理分)も4.9%減の7.4兆円と減少した。厚労省は、「特殊要因を除くと、高齢化や医療の高度化により医療費が伸びる構造は基本的に変わっていない」と分析している。
医療費の内訳を見ると、入院が1.1%増の16.5兆円、入院外+調剤が2.0%減の21.7兆円となった。医療費の伸び率を見ると0.4%減と14年ぶりのマイナスとなった。厚労省は、抗ウイルス剤の薬剤料が大幅に減少したことについて、「医療費の伸び率への影響はマイナス0.5%程度」と分析。これら特殊要因により、16年度の医療費は「一時的にマイナスになった」との見方を示した。
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