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インターンシップ通じ社会人マナーを

2017年10月13日 (金)

 薬学生の就職に関しては現在も売り手市場が続いている状況だ。そうした中、どこからでも内定がもらえると思っている学生が少なからずいるという風潮になっているという。

 こうした風潮をはじめ、薬学生の就職・採用を取り巻く環境には、インターンシップのあり方、就職活動を行う薬学生自身および企業に就職してリクルーターとなって大学等を訪れる若い薬剤師のマナーの悪さなど、様々な課題が指摘されている。

 そうした様々な課題を改善し、薬学生の社会への道をより良いものにするために活動しているのが「薬学生のための合同企業・大学交流会」だ。同交流会は大学薬学部・薬科大学の就職担当責任者とドラッグストア・調剤薬局等の人事採用担当者が一堂に会し、現状の課題等を活発に議論し共有する場として定着しており、このほど都内で開催された、節目となる10回目の交流会には30企業と31大学が参加した。

 第10回交流会では、活発な議論の場となるように初めてグループワークという取り組みを導入。その中では、就職活動に臨む薬学生のマナーの悪さに対する指摘があり、「薬剤師としての採用でなければ、その時点で落としている」といった苦言が呈される場面も見られた。

 就職活動は社会人への入り口ともいえ、就職活動を通して、社会人としてのあり方やマナーを身につける必要性を感じていくものだと思う。現在は売り手市場とはいえ、薬学生の場合も、マナー等を身につける必要性が感じられる就職活動としていくべきであろう。

 また、ドラッグストアや調剤薬局の薬剤師には今後、薬局内での調剤業務だけでなく、積極的に外へ出て、地域などへ貢献していく役割が求められる。その際に接するのは患者だけでなく、地域住民などもおり、今まで以上に社会人としてのあり方やマナーが問われることになる。

 マナーなどは社会人として活動していれば自然に身につくものなのかもしれないが、普段から意識しているのとしていないのでは、そこに到達するまでの時間に雲泥の差がつく。

 社会人としてのマナーの必要性を植えつけるきっかけには、インターンシップも考えられる。

 同交流会でもインターンシップに対しては、「就業者の立場で就業体験ができる内容」や「実際の職場の雰囲気を肌で感じられる内容」などが求められており、このような内容で実施されるインターンシップならば、きっかけに十分なり得るだろう。

 “第一は薬学生のため”という思いで発足した同交流会。大学側、企業側がお互いの思いや考えを知り、現状の課題など問題意識を共有する場として、その存在意義は大きい。

 企業側だけ、あるいは大学側だけが単独で努力するよりも、両者が協力して取り組む方が成果が高いことも明らかであり、マナーの問題も含め課題改善に向けた今後の取り組みを注目していきたい。



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