3日に開かれた日本医療薬学会年会では、依然として認定者が伸び悩んでいる「薬物療法専門薬剤師」の位置づけをめぐって議論した。複数の疾患領域で高い水準と臨床経験が求められる“スーパージェネラリスト”として「他職種から理解されにくい面がある」との指摘や「具体的にどんな能力を持っているのか、それを示していくという概念が少し足りないのではないか」と様々な意見が噴出。一方で、社会的な要請は総合性を持った薬剤師にあるとして、かかりつけ薬剤師まで含めた薬物療法専門薬剤師のあり方など、認定のハードルを下げる方向の提案も出た。
濱敏弘氏(がん研究会有明病院薬剤部)は、同学会が認定する「がん専門薬剤師」が社会の要請から誕生した背景を指摘。研修コアカリキュラム、研修ガイドラインに基づき、癌薬物療法の専門家を養成する目的を説明した上で、「領域専門薬剤師は社会の要請に応えた」との認識を示した。一方、「癌診療チームからは、もう一つ“薬の専門家”としての側面が求められるが、がん専門薬剤師が患者の抱える全ての疾患の薬物療法に対応することは難しい」と指摘。広い視点を持った薬物療法専門薬剤師が重宝されるとした。
* 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。