加速する“新薬への集中”
中外製薬は、来年4月にプリント配線板事業に強い太陽ホールディングス子会社「太陽ファルマ」に国内で製造販売する長期収載品13製品の製造販売承認を譲渡すると発表した。譲渡額は212億8000万円。中外は医療用医薬品に特化した研究開発を進めているが、ジェネリック医薬品の使用促進を背景に長期収載品の売上が減少する中、新薬に対する経営資源の集中を図る。当面は中外が流通を行い、来年4月以降から準備ができた製品について順次、製造販売承認の譲渡を進め、12月末までに完了する予定。武田薬品やアステラス製薬、塩野義製薬などに続き、国内企業による長期収載品の事業譲渡が加速している。
中外の国内医療用医薬品売上全体のうち、長期収載品比率は約10%を占め、中外が定義している製品数では20品目以上あるという。今回、対象となる13製品は、合成抗菌剤/カリニ肺炎治療剤「バクトラミン」、ジギタリス配糖体製剤「ジゴシン」、経口血糖降下剤「オイグルコン」、抗悪性腫瘍剤「フルツロン」、5-HT3受容体拮抗型制吐剤「カイトリル」などで、これら全体の2016年売上高は116億円。13製品以外の長期収載品に関する追加的な製品譲渡についても、検討する可能性があるとしている。
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