耳が聞こえないろう者の服薬を支援する、関西の薬剤師グループの活動が今年で5年目を迎えた。大阪や兵庫で年1回開かれるろうあ者文化祭などでお薬相談会を開き、薬に関する様々な相談に応じてきた。これまでに相談を受けた事例を分析したところ、手話で対話できる環境が十分に整備されておらず、筆談などでは医療従事者との意思疎通を図りづらいために、副作用が見過ごされたり、薬を正しく服用できなかったりするろう者が少なくないことが改めて浮き彫りになった。こうした問題があることを多くの薬剤師が認識し、どうすればより良い医療を提供できるのかを一緒に考えてほしいと呼びかけている。
ろう者を対象にしたお薬相談会は、ろう薬剤師の柴田昌彦氏(大阪急性期・総合医療センター薬局)が1人で実施してきたが、2013年から聴者で手話に長けた大熊理恵子氏(ダイガク薬局むろまち)、杉山晶氏(テイコク薬局江坂店)が加わりグループで開催するようになった。その後も薬局薬剤師や医師が仲間になり、現在は毎回5人前後の薬剤師らが、ろう者の相談に応じている。
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