第一三共は、第I相試験を実施中の血栓溶解剤「TS23」について、導入元の米ベンチャー企業「トランスレーショナル・サイエンシズ」と締結していたライセンス契約を解約し、同剤の独占的開発・商業化に関する権利を返還すると発表した。これにより、2018年3月期中間決算で、減損損失約24億円を研究開発費に計上した。癌領域に開発リソースを集中させるため、開発パイプラインの見直しを図った。
第一三共は、グローバル戦略品に位置づけるエドキサバンやプラスグレルに続く抗血栓領域の品揃え強化を目的に、15年に「TS23」を導入。エドキサバンなどの慢性期に投与する抗血栓薬に加え、急性期領域の薬剤を獲得することで製品ポートフォリオ拡充を図っていた。