全日本医薬品登録販売者協会会長 杉本雄一

全日本医薬品登録販売者協会(全薬協)は、登録販売者研修支援・活性化事業、研修認定登録販売者事業、医薬品の適正使用に関する啓発および知識普及に貢献し、公衆衛生の向上に寄与することを目的とした公益社団法人です。本年度も前記目的達成のために精進いたしますので、薬務行政ご担当、薬剤師会をはじめとする職能団体各位および薬業関係各位におかれましては、今後とも全薬協に対するご指導・ご鞭撻を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
登録販売者試験合格者数は既に20万人の大台を突破しました。試験合格は専門家への入り口に過ぎず、合格後も登録販売者としての質の向上を目的とした研鑽が不可欠です。
昨年『登録販売者に対する研修の実施』に関わる重要な通知および事務連絡が発出されました。全薬協は今後も、登録販売者研修の実効性が高まるよう、あらゆる努力をし、登録販売者外部研修実施機関の魁として、登録販売者資質向上と販売制度の理想実現に貢献してまいります。
現代社会は変化し続けています。登録販売者の就業の場も、薬局・店舗販売業・配置販売業を含め多様化し、店舗販売業の許可を受けた登録販売者数より、勤務の登録販売者数が圧倒的多数に変化しました。
登録販売者の就業の場の多様化と就業場所に関わる規制等の変化は、登録販売者が業務上注意を払うべき領域(事柄)の拡大・変化をもたらします。昨年の省令改正や厚生労働省通知等の中には、こうした注意すべき実例が多数見られます。
[1]改正個人情報保護法の全面施行(2017年5月30日):就業場所によっては同法に加え、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5版」の学習も必要です[2]薬剤師不在時間における、登録販売者による医薬品販売に関わる省令改正およびこれに関する通知(17年9月26日):厳格な要件が潜脱等されないように学習対象に加えます[3]偽造品流通防止に関わる省令改正およびこれに関する通知(17年10月5日):前記[2]と同様、施行規則・構造設備規則・体制省令にまたがる重要な改正であり、学習対象に加えます――などは、その代表例です。
全薬協では本年も、登録販売者が業務上、関心を払うべき領域(事柄)の拡大・変化を取り入れた研修の実施を行い、登録販売者の資質向上と社会貢献の拡大に努めます。
全薬協は登録販売者のあるべき姿につき、その仲間が共に考え、努力し、実行する団体です。また、これまで登録販売者の職能に応じた最長・最適の実績を有する外部研修実施機関として、登録販売者の質の向上のための研修の専門性・客観性・公正性の確保・充実に努め、登録販売者の資質と社会的地位の向上のため、その中心となって活動を積み上げてまいりました。今後は昨年の通知を踏まえ、その一層の充実強化のため邁進いたします。