第2回日本老年薬学会学術大会が12、13の両日、都内で開かれ、ポリファーマシー対策について各医療現場で実践している減薬の取り組みをもとに議論を深めた。その中で、介護老人保健施設では薬剤師が回診に同行して医師と協働で処方薬剤を決めるなど、多職種によるチームワークで効果を上げている事例が報告された。
大洗海岸病院の新井克明氏は、同病院の介護老人保健施設で行われた減薬の効果を報告した。「医師は処方に対して足し算の考え方であることから、薬剤師が処方意図を医師と話し合い、薬剤師の意見を処方作成前に伝える必要がある」との考えに基づき、回診の際に薬剤師が医師に同行し、協働で処方薬剤を決定。2013年4月からの1年間で降圧剤、消化性潰瘍治療剤など計271品目に介入した結果、平均6.2剤から5.1剤に削減した。全ての年齢層で服用薬剤数が6品目を下回り、薬剤にかかる費用も1日当たり約9700円削減することができたと成果を報告した。
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