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協励会・薬局のチャレンジに注目

2018年06月08日 (金)

 今年で69年目を迎える日本薬局協励会(協励会)。今期の基本目標には、「国民の健康づくりへの貢献」「協励精神の高揚」「協励薬局の繁栄」「会員の増加および育成」「事業部門の強化」――の五つを据え、事業計画として、「地域に根ざした協励薬局として、確固たる信念のもと、“独自性”“専門性”“利便性”をさらに追求し、広く国民の健康づくりに貢献する」を掲げている。

 現在、協励会やその事業部門である日邦薬品を取り巻く環境は、依然として厳しいものがある。社会情勢の変化に加え、協励会会員の減少や日邦薬品の取引先減少などが続く現状に、危機感を募らせている。協励会の小田美良会長も、“10年後や20年後も繁栄する協励薬局”“協励会会員および日邦薬品取引先の増加”に向けた取り組みに、関係者らが一丸となって取り組んでいく必要があることを強く主張している。

 一方、協励会や協励薬局には約70年に及ぶ長い歴史を積み重ねる中で、先達から受け継いだ熱い思いや地域に貢献するノウハウがあるのだと思う。処方箋を持たずとも気軽に訪れることができる薬局という形を「本来の地域支援」(小田会長)と捉え、こうした形の薬局を、ずっと目指してきた。

 そうした姿は地域住民等にとって、協励会の基本理念にも掲げられている「最良の薬局」そのものであると言えよう。

 こうした熱い思いやノウハウなどを会員が共有する場として期待される一つが、年に1回開催される協励会の「全国大会」になるだろう。第69回となる今年の東京全国大会は今月16、17日の両日、東京ビッグサイト会議棟で開催される。

 初日には、混合協励会(テーマ:保健薬を3回以上続けてもらうコツ・新しい方におすすめするコツ)や、前回に引き続いて協励式ポスター発表などが組まれている。2日目は総会に続いて、3分科会や特別講演(「私のシンクロ人生」:小谷実可子氏)などが予定されている。

 今回の大会テーマは、「『実践躬行』“変化への対応”~地域の中心となる薬局を目指して~」とした。実践は“実行すること”、躬行は“自ら行うこと”で、実践躬行(じっせんきゅうこう)には、“自分自身で実際に行ってみること”“口先だけではなく、まずは行動せよ”といった意味があるという。

 過去に全国大会の大会テーマに用いられた言葉に注目すると、前回が『和衷協同』(心を同じくして共に力を合わせ、仕事や作業に当たる)、前々回が『知行合一』(知識と行為は一体であるということ)で、今回の『実践躬行』も含め、いずれも“行動する”といった意味合いを持っている。

 ここには、小田会長の「行動を起こし、チャレンジしていってほしい」という強い思いが表れているように思う。地域住民のために行動し、チャレンジする協励会・協励薬局の姿を期待したい。



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