保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は、13日に開いた定時社員総会で任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に岩本敏男氏(NTTデータ社長)を選出した。任期は2年。また、副会長には今井喜与志氏(キヤノンメディカルシステムズ常務)ら6人を選出した。
岩本氏は、総会後の懇親会であいさつし、「長寿社会の実現に医療は重要な役割を果たすが、情報システムが支えないといけない時代になっているのは間違いない」と強調。人間が人工知能(AI)などの新しい技術を取り入れ、指数関数的に進化し、2045年には生物学上のヒトを超越した「ポストヒューマン社会」に変わるシンギュラリティ(技術的特異点)という概念を提唱し、「パンドラの箱を開けるような時代が来ても恐れずに、コントロールしながら社会を作っていきたい」と所信表明した。
一方、前会長の山本雅巳氏(富士通会長)は、少子高齢化に伴い社会保障費が上昇している日本の現状について、「これらを解決する唯一の方法は、ヘルスケアITを活用した徹底した効率化だと思っている」と述べた上で、「JAHISの中で標準化を徹底して、一つの勢力として国や企業と力を合わせて立ち向かっていかないといけない」と新体制に期待感を示した。