薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は25日、再発型多発性硬化症の進行抑制・再発抑制の治療薬を目指して開発されるナタリズマブ(申請者・バイオジェン・アイデック・ジャパン)を、希少疾病用医薬品に指定することを決めた。開始時期は未定だが国内治験を計画中。
同剤は、免疫細胞の血液脳関門通過を阻害する抗α‐4インテグリン抗体製剤で、海外では「タイサブリ」の名称で販売されている。
再発抑制の治療にはIFNβ‐1a(アボネックス)、IFNβ‐1b(ベタフェロン)などがあるが、厚生労働省医薬食品局によると、海外の臨床試験ではIFNβ‐1a、IFNβ‐1bより再発率を低下させることが認められている。
タイサブリは、進行性多巣性白質脳疾患(PML)という、重症の脳のウイルス疾患が有害事象としてみられたことから、米国で2005年に一時市場撤退したものの、06年にFDAは他にPML症例がなかったことや、安全な使用のための計画のもとに処方することで、販売再開を認めていた。
日本の治験についてバイオジェン・アイデック・ジャパンは、「現在計画中で、はっきりといつからとは申し上げられないが、なるべく早く行いたい」としている。