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【薬剤師のスキルアップと生涯学習】Medisere

2018年07月25日 (水)

社会で活躍できる薬剤師に

 薬剤師国家試験予備校のメディセレは、国試に合格するだけでなく、薬剤師になってからも視野を広げるための教育を実践している。「国家試験合格がゴールではなく、社会で活躍する薬剤師になることがゴールである」との信念があるからだ。この考えのもと、薬剤師の生涯教育勉強会「次世代の薬剤師を創る会」を定期的に開催するなど、国試の勉強で得た知識を生かす機会を提供してきた。

 同社は日本薬剤師研修センターの研修プロバイダーの認証を2009年に取得。10年度から「次世代の薬剤師を創る会」を東京、大阪、名古屋の各拠点で開催している。各回100人の受講者枠はほぼ満員。参加者の年齢層は幅広く、質問や意見も飛び交う活発な勉強会だ。

 このほか、関連団体のNPO法人医療心理学協会を通じて、心理学と薬学を融合し、薬の知識を持った心理カウンセラーを養成するユニークな講座も開催している。知識だけでなく、ロールプレイによる実技にも時間を割くことが特徴だ。薬剤師資格を持ち心理カウンセラーとしても活動する、同協会理事長兼メディセレ社長の児島惠美子氏は、「薬剤師には心理カウンセラーの技能を持ってもらいたい。一方、心理カウンセラーには薬の知識を持ってもらいたい。そんな思いからこの協会を設立した」と語る。

 企業や医療機関とタイアップし、内定者や新入社員、患者を対象に心理カウンセラー講座を実施。ストレス社会を生き抜くためのセルフカウンセリング技法と精神疾患患者の接遇教育などにも力を注いでいる。試験合格者は同協会の認定資格を取得可能。13年度に改定された薬学教育モデル・コアカリキュラムの薬学準備教育ガイドラインの中に「人の行動と心理」という項目が盛り込まれるなど、薬学部でも心理学は注目されている。

 外部機関と連携した取り組みにも力を入れている。東京大学大学院薬学系研究科育薬講座、慶應義塾大学大学院医薬品情報学講座との共同研究として、薬学生の意識調査をもとに、繁用医薬品の適正使用情報に関する習得度確認コンテンツ作成を推進。その成果物として、薬学生から現場薬剤師まで学べる教材「薬を学ぶ」を発刊している。

 医療関係者の産学連携活動にも積極的に関与。経済産業省の18年ヘルスケアビジネスコンテストグランプリを受賞した原正彦医師を同社の医療顧問に迎え、薬剤師や医療全体への提言にも力を注いでいる。

 薬剤師の社会的評価に危惧を抱く児島氏は、薬学生を対象に、薬学とキャリアに関して勉強できるコンテンツを提供する「メディキャリ」サイトの運営も開始した。ロールプレイングゲームのように問題をクリアしていく「メディクエ」や無料のウェブ模試、自分の知識の弱点を見つけられるコンテンツなどを掲載。業界のコラムも載せて、薬学生の視野が広がるよう工夫を凝らしている。

 児島氏は「薬学生はどうしても国家試験が気になり、薬剤師不足もあってすぐに就職が決まるため、企業研究に力を注がない。ゆえにミスマッチが起こり、簡単に転職できるがゆえに、転職を重ねる薬剤師は少なくない。キャリア形成がうまくいっていない卒業生たちの相談に乗るうちに、正確で前向きになれる情報発信の必要性を感じてメディキャリを立ち上げた」と振り返る。

 本体の予備校経営は順調だ。予備校の中でも国試合格率は高く、07年の大阪での創業から、今や仙台から広島まで拠点が拡大した。「教育には正解がない。毎年変化が必要で、試行錯誤を繰り返している。薬学部に来てくれたご縁を大切に、全ての学生の気づきや成長に少しでも寄与できたらうれしい」と児島氏は話している。

Medisere
http://www.medisere.co.jp/



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