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医薬分業批判の背景は何か

2018年7月27日 (金)

 厚生労働省の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会で、施行後5年をメドとした薬機法の見直しに向けた議論が進んでいる。

 テーマの一つである「薬局・薬剤師のあり方」を議論する中で、部会に出席した医師や患者代表者らから過日、医薬分業に対する批判や懐疑的な声が噴出した。自分たちの仕事はなぜ社会から評価されないのかと、やるせない思いにとらわれた薬剤師は少なくないのではないか。

 医薬分業に対する批判は過去に何度もあった。批判はなぜ繰り返されるのか。背景には何があるのか。論点は何なのか。改めて整理し考える必要がある。

 まず意識すべきなのは、医師と薬剤師が協働する医薬分業という仕組みへの批判ではなく、院外処方箋の発行という形態に伴う費用の妥当性が問題視されていることだ。

 今後、増え続ける医療費をいかに抑制するかが国の課題。分配できる医療費のパイに限りがある中、医師、歯科医師、薬剤師の間でのパイの奪い合いは激しくなる。一見すると医薬分業が批判されているように捉えられるが、その裏にはこんな事情があることを認識しておきたい。

 そもそも医薬分業という仕組みを真っ正面から批判することはできない。医師の処方を第三者の視点で薬剤師がチェックし、必要に応じて疑義照会を行って薬物療法をより良いものにするのが医薬分業の本質だ。薬剤師の疑義照会の結果、処方全体の約1%が変更に至ったという調査結果がある。薬剤師の提案を受けて医師自らが処方を変更しているわけで、薬剤師の貢献は明らかだろう。

 そうすると論点はやはり費用の妥当性に限られる。ただ、これには正解がない。

 医師が薬剤師の介在なしに投薬した場合と、薬剤師が関わって調剤し投薬した場合の薬物療法の有効性や安全性を比べ、薬剤師が患者の不利益をどのくらい防いだかを可視化できれば、それに払う費用はいくらが妥当なのかを考えられる。

 しかし、可視化は困難な上、費用の妥当性も判断しづらい。だからこそ議論は尽きない。とはいえ、少しでも可視化の方策を探るべきだ。

 一方、医療者の認識とは違って、患者や社会は、医薬分業という仕組みそのものについてメリットが乏しいと捉えている可能性がある。なぜ医薬分業は社会から広く支持を得られないのか。

 裏方として薬物療法を支える役割であるからこそ、目には見えにくい。それを前提とした上で、どうすれば医薬分業のメリットを分かってもらえるのか、各薬局や薬剤師会単位でもっと議論を深める必要があるのではないか。

 薬剤師が関わった成果を客観的な数値で示すなど、エビデンスが重要だ。他の誰かが証明してくれるわけではない。海外の薬剤師のように、自分たちの職能の有益性は自らが示さなければならない。




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