そーせいグループと米アラガンは、ムスカリンM1作動薬「HTL0018318」について、カニクイザルを対象とした長期毒性試験で予期しない毒性所見が見出されたため、現在進行中の臨床試験を中断すると発表した。アラガンによるアルツハイマー病(AD)を対象とした米国第I相試験、そーせい英子会社「ヘプタレス・セラピューティクス」によるレビー小体型認知症を対象とした国内第II相試験の試験再開は、今後毒性の原因を究明した上で判断する。試験を再開できたとしても半年から1年の試験スケジュールの延期は避けられない見通し。日本のバイオベンチャーを牽引する企業の一つであるそーせいにとっては、大きな試練といえそうだ。
「HTL0018318」は、ヘプタレスがアラガンと契約一時金1億2500万ドル、開発・販売マイルストンを含めた総額では、日本円で約3600億円という破格の契約で導出した複数の新規ムスカリン受容体サブタイプ選択的作動薬の一つ。導出化合物では最も開発が先行していた。複数の用量で9カ月間被験薬を投与したカニクイザルの長期毒性試験で希少な腫瘍が観察されたため、自主的に臨床試験の中断を決断した。
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