6月27日から大日本住友製薬会長に就任する宮武健次郎社長は9日、決算説明会で会見し、2005年10月1日の新社発足以来2年半の社長歴を振り返って、「予定していた合併作業が本当に順調に進んだことが一番の功績であったと自負している」とコメント。「新社のDSPマークが付いた製品がPIに四つ上がって来ており、研究部門でのシナジー効果にも手応えを感じている」と強調した。
宮武社長は、合併効果について「営業部門のシナジー効果は早期に出せると予測していた」と指摘。その上で、「これまで手法を異にしてきた研究・開発分野が早期に融合し、早くもシナジー効果を発揮していることを大きく評価したい」と分析した。
また、7月に38社が発売を予定しているアムロジンの後発品の影響について、「07年度の売上実績は636億円だが、08年度は570億円を予定している。薬価改定分も含めて66億円の影響が出ると考えている」と試算。その一方で、「アムロジンのOD錠を発売して1年半になる。OD錠の固さは普通の錠剤と変わらず、分包器にかけることもできるので、医師の評価も高い。顧客志向の観点からOD錠の拡大に尽力したい」と後発品に対する防衛策を示した。
08年度の新製品の売り上げ計画についても言及し、「統合失調症治療薬ロナセン(4月発売)とARBのアバプロ(7月発売予定)を併せて、約40億円を見込んでいる」と予測。「ARBとアムロジンの併用処方が多いため、両製品のコラボレーションが可能になる」と述べ、現在のアムロジン、ガスモチン、プロレナール、メロペンにアバプロが加わって、戦略5製品となる可能性を示唆した。
また、多田正世副社長は、07年度473億円(対前年比15.7%増)、08年度565億円(19.5%増)と増大傾向にある研究開発費について、「統御失調症治療剤ルラシドンの海外臨床試験の本格化が大きな要因になっている」と説明。さらに「ルラシドンの申請は11年に予定しているので、09年が研究開発費のピークになる」と一過性のものであることを強調した。