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エーザイの内藤晴夫社長は14日、都内で開いた決算説明会で、MGIファーマ買収費用の計上で赤字決算となった2007年度を「血を吐く思いで圧倒的な研究開発費を投じた1年だった」と総括した上で、「08年度はMGIファーマの高成長が利益に貢献し、癌領域で750億円程度のビジネスが期待できるのではないか」と述べ、MGIファーマの売上貢献で二桁成長への反転を目指す考えを示した。
内藤社長は、米国でライガンドの4製品、モルフォテック、MGIファーマを買収し、癌領域の本格参入を果たした意義を改めて強調。より成長が期待できる癌領域を事業基盤とした“ファルマバイオビジネス”への転換を図る姿勢を示した。
07年度はMGIファーマ買収に伴うインプロセス研究開発費876億円を一括計上したものの、内藤氏は「MGIファーマが持っている基盤技術やパイプラインの価値について、一定の高い評価が下された」との認識を示した。さらに、MGIの会計処理を除外した実業ベースでも、研究開発費は27%の大幅増となり、内藤氏は「血を吐く思いで研究開発に投資したと言っていい。圧倒的な研究開発費を投じたのが、07年の大きな特徴だった」と心境を語った。
また、海外で二桁成長を維持しつつ、特に日本で主力のアルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」、抗潰瘍薬「パリエット」の2製品が大幅に伸長したことを受け、内藤氏は「日本の健闘が顕著であった」と高く評価。「国内大手の中で、最も高い成長率を達成することができた」と胸を張った。
その上で、内藤氏は「08年度は二桁成長を目指す」と攻勢に出る方針を鮮明に打ち出し、「次期中期経営計画の最終年度となる2016年には、癌領域の売上高で世界トップ10入りを目指したい」と語った。
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