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アステラス製薬の野木森雅郁社長は14日、都内で開いた決算説明会で、免疫抑制剤「プログラフ」について、「4月に米国で特許切れを迎えたが、臓器移植全体が伸びている中、プログラフの有用性は変わらない」と強調。その上で、次期業績がプログラフの米国特許切れと薬価改定の影響を受け、減収減益の予想となったことから、「アステラスにとって非常に厳しい1年になる」との認識を示し、「経営努力で少しでも利益を出すよう全力で取り組んでいく」と語った。
07年度業績で、主力グローバル製品のプログラフは、15・8%増の二桁成長で売上増に大きく貢献したが、次期08年度は4月に米国で迎えた特許切れが影響し、減収になる見込みとなった。
その対策として、プログラフの徐放性製剤「FK506MR」を米国において申請中で、既に肝移植と腎移植の適応に関して、FDAから2回の承認可能通知があった。ただ、肝移植、腎移植の適応で“性差”が指摘され、FDAから性差に関する第III相試験の追加解析等を求められている。
野木森社長は、「肝移植の1試験で女性患者での安全性に関する指摘があった」ことを明らかにした上で、「承認目的を肝移植の男性患者に限定する方法や、腎移植の適応のみで承認を目指すのも一つのオプションだ。今後あらゆる選択肢を検討し、FDAとの協議から最善の方法を取っていきたい」との方針を語った。
また、中長期的な成長に向けたM&Aの可能性については、「常に可能性があれば考えていくが、あくまでもアステラスの企業価値向上につながる技術や製品を持っている相手がある場合で、製品をベースにした買収を行っていきたい」との考えを示した。
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