PHCバイオメディカ事業部(PHCbi)は1日、米国のMaxCyte, Inc.との間で、MaxCyte 「ExPERTシステム」の日本における独占販売契約を締結したと発表した。この契約締結によって同社は、MaxCyteの遺伝子導入装置、関連消耗品、ソリューションの販売およびサービスを提供し、臨床の現場でも使用されている非ウイルス性の細胞加工システムを、研究開発や製造の現場に供給していく。なお、シンガポールのPHCホールディングスの事業子会社であるSciMed(Asia)Pte Ltdも、同国における販売契約をMaxCyteと個別に締結し、「ExPERTシステム」の販売を6月より開始している。
MaxCyteは、細胞工学分野をリードする企業として、次世代細胞遺伝子治療(CGT)の研究、開発、商業化を支援するプラットフォーム技術を提供している。
「ExPERTシステム」は、複雑かつスケーラブルな細胞加工を可能にする次世代型電気穿孔技術で、臨床開発から商業生産まで幅広く活用されている。高い遺伝子導入効率と細胞生存率、シームレスなスケーラビリティ、そして高い処理能力を兼ね備えた同システム」は、次世代のバイオ医薬品や細胞治療の実現を支える重要な技術となっている。
PHCbiは、この契約に基づき、「ExPERT ATx、STx、GTx、VLx」を含む装置のほか、関連消耗品やバッファーなどについても販売およびサポートを提供していく。
また今回の提携は、細胞医薬品の開発製造プロセスのさらなる効率化と、細胞品質および安全性の向上に向けたPHCbiの継続的な取り組みをさらに強化するもの。PHCbiでは、先にコア技術であるIn-Lineモニタリング技術を活用した研究用ライブセル代謝分析装置「LiCellMo」の提供を開始した。さらに、現在、細胞の代謝状態に応じて培地交換を自動で行い、培養環境を最適な状態に制御する自動培養装置「LiCellGrow」の開発を進めている。
PHCbiは、これらの製品と「ExPERTシステム」を組み合わせることで、再生医療、免疫療法、バイオ生産など多様な分野において、より包括的なソリューションを提供し、日本およびシンガポールにおける細胞ベースのイノベーションの加速を目指していく。
なお、「ExPERTシステム」は、7月9~11日まで東京有明の東京ビッグサイトで開催される「第7回再生医療EXPO 東京2025」に展示を予定している。
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