第一三共は21日、独バイオ企業「U3ファーマAG」を1億5000万ユーロ(約245億円)の現金で買収すると発表した。癌領域と抗体医薬の強化が狙いで、同社は今回の買収によって2つの抗体を獲得。循環器領域などに比べて手薄だった癌領域のポートフォリオを充実させていく方針だ。
U3ファーマは、2001年に設立された癌領域に強い独バイオ企業。主要な開発品には、米アムジェンと共同開発中の抗HER”3抗体「U3”1287」、抗HB”EGF抗体「U3”1565」を保有する。「U3”1287」は、6月にPIが開始される予定で、「U3”1565」も09年の第4四半期にはPI入りする見通しだ。
今回の買収により、第一三共は「U3”1287」と「U3”1565」の2品目を獲得すると共に、U3ファーマが提携している独マックスプラン研究所との提携を通じて、癌領域の創薬研究力を強化していく方針だ。
第一三共は、中長期的な目標の一つに癌領域のパイプライン充実を掲げているが、抗DR5抗体「CS”1008」、PPARγ作動薬「CS”7017」、抗EGFR抗体「DE”766」の3つのモノクローナル抗体を保有するにとどまっている。
今回、新たに有望な癌領域の2抗体を導入したことで、さらに癌領域ポートフォリオの拡充を目指していくとしている。
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