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ハーセプチンの適応診断が簡便に”可視化遺伝子診断キットの開発に成功

2008年5月22日 (木)

関連検索: ハーセプチン 遺伝子診断 浜松医科大学 トラスツズマブ

 浜松医科大学の椙村春彦教授と臨床検査メーカー常光(東京都文京区)は、乳癌で過剰発現がみられるHER‐2遺伝子を、可視化して診断するキットの開発に成功した。キットは、DNAプローブを用いてジゴキシゲニン標識したHER‐2遺伝子を、二次抗体を利用して染色することで、免疫組織化学(IHC)法と蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法の両方の長所を兼ね備えており、トラスツズマブ(ハーセプチン)の適応診断などが容易になると期待されている。

 HER‐2遺伝子は乳癌の約20030%で過剰発現が見られ、HER‐2陽性乳癌は過剰発現のない乳癌に比べ、生存期間が短い。実際、HER‐2過剰発現が腫瘍の進行や転移、薬剤耐性の増加などに関係していることが基礎的にも明らかにされている。

 そのため、HER‐2遺伝子を標的としたトラスツズマブが用いられているが、治療適応を決定するためには、IHC法によるHER‐2蛋白の過剰発現またはFISH法によるHER‐2遺伝子の増幅を検査で確認することが不可欠だった。その場合には、まずIHC検査を行い,スコア3+を適応あり、スコア001+を適応なしとし、スコア2+の場合にFISH法で再検査するという方法が多く採られてきた。

 FISH法はコストや時間がかかり、手技も複雑という問題があるものの、IHC法と比べると再現性が高く、治療効果との関連でも優れていることが報告されてきており、重要性は高い。

 開発された診断キットは、それらの問題点を解決したもの。HER‐2遺伝子と特異的に結合するDNAプローブを用いて標識し、さらに標識した部位を効率よく染色することで、高精度で安定性のある遺伝子検出ができる。作業工程を改良して操作を簡便にしたFISH法の診断キットも作製しており、新技術の可視化法と合わせ、複合的にHER‐2遺伝子増幅を検出することができる。特に、増幅量が中程度で、IHC法だけではトラスツズマブ治療適応の診断が難しいケースでも、容易に診断できるようになった。

 HER‐2遺伝子に限らず、別のDNAプローブを作製すれば、乳癌以外の癌の検出に適用することも可能で、研究グループでは「ゲノム創薬の実用化を支える技術の一つとして、今後の応用が期待される」としている。

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