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中央社会保険医療協議会は4日の総会で、13日付で薬価収載される腎細胞癌などを適応とする分子標的薬「スーテントカプセル12.5mg」(一般名:スニチニブリンゴ酸塩、ファイザー)など3成分について、薬価が高額で、診断群分類別包括評価(DPC)では対応できないため、DPC対象から外し、当面は出来高による算定を認めることを了承した。
厚生労働省によると、スーテントを使わない、根治切除不能または転移性の腎細胞癌症例では、薬剤費は36万7530円なのに対し、同剤を使った場合、約95万7000円の薬剤費が見込まれる。イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍の症例についても、スーテントを使わない薬剤費は36万6420円だが、同剤を使う場合の薬剤費は60万5000円と高額になる。
CD20陽性の再発または難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫の治療薬「ゼヴァリンイットリウム(90Y)静注用セット」(バイエル薬品)については、同剤を使わない場合の症例の薬剤費は144万1200円なのに対し、同剤を使った場合の見込み薬剤費は約253万3477円と高額になる。
また、ゼヴァリンイットリウムの集積部位の確認に用いる「ゼヴァリンインジウム(111In)静注用セット」(バイエル薬品)についても、同剤を使わない場合の症例の薬剤費は127万1320円だが、同剤を使った場合の見込み薬剤費は約178万7490円と大きく上回る。
DPC対象病院では、原則として薬剤費は診断群分類ごとの点数に包括されているが、高額な新薬を用いると、医療機関による持ち出しが生じてしまう。このため標準的な費用が一定の基準を超える高額医薬品が保険適用された場合、次期診療報酬改定まで暫定的にDPCの対象外とすることになっている。
また、「在宅自己注射指導管理料」の対象薬剤に、排卵誘発剤の「遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤」、関節リウマチ治療薬「アダリムマブ製剤」を加えることを了承した。
遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤の販売名は、フォリスチム注50、同75、フォリスチム注300IUカートリッジ、同600IUカートリッジ。1日50国際単位を7日間皮下または筋肉内注射し、卵胞の発育の程度を観察しながら用量を調節する。
アダリマブ製剤の販売名は、ヒュミラ皮下注40mg、シリンジ0.8mL。2週間に1回40mgを皮下注射する。効果が不十分な場合は、1回80mgまで増量できる。
これら医薬品を患者が自己注射するに当たっては、入院や週203回以上の外来、往診、訪問診療などで、医師の十分な指導を受けておく必要がある。また、かかりつけ医と異なる医師が指導管理する場合は、患者のかかりつけ医との連携を図り、緊急時に適切な対応がとれるようにしておく必要もある。
【お詫びと訂正】
記事初出時、「ゼヴァリンインジウム(111In)静注用セット」(全薬工業)と記載しておりましたが、正しくは、「ゼヴァリンインジウム(111In)静注用セット」(バイエル薬品)の誤りでした。お詫びして訂正します。
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