関連検索: インフルエンザ 創薬ベンチャー ペプチド インフルエンザウイルス H5N1型
創薬ベンチャーのグライコメディクス(東京都渋谷区)は、ペプチドを主成分とした新規インフルエンザ感染阻害剤「GM04‐001」について、弱毒性インフルエンザウイルスに対する前臨床試験で有効性と安全性を確認した。年内には、H5N1型を含めた強毒性インフルエンザウイルスに対する前臨床試験も開始する予定で、来年3月末には国内外での新薬治験許可(IND)申請を目指す。
GM04‐001は、インフルエンザウイルスの表面上に存在する糖蛋白質ヘマグルチニン(HA)に対し、糖鎖を擬態したペプチドを直接結合させ、ウイルスの宿主細胞内への侵入を阻害する低分子化合物。タミフルなど、既存の抗インフルエンザウイルス薬とは全く違う新規作用機序を持っていることから、他剤との併用も可能と考えられている。
これまでに、弱毒性のH1N1型・H3N2型インフルエンザウイルス感染モデルを用いた前臨床試験が実施され、GM04‐001の有効性と安全性が確認されている。また同社は、既にGM04‐001のパイロット製剤の作製に成功しており、最終製剤化を目指して最適化を進める。
さらに、年内には、強毒性のH5型やH7型インフルエンザウイルスに対する前臨床試験も開始する。同社は、鳥インフルエンザウイルスを含めた新規の強毒株や変異株、耐性株に対しても、GM04‐001は有効性を発揮するとしている。これら前臨床試験の結果をもとに、来年3月末までに国内外でIND申請を行いたい考えだ。
GM04‐001は、慶應義塾大学理工学部の佐藤智典教授が開発した「糖鎖構造を擬態したペプチド合成法」によって探索・開発された新規化合物で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2005年度大学発事業創出実用化研究開発事業(大学発マッチングファンド)に採択され、その研究補助金によって開発が進められている。
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