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ジェネリック医薬品(GE薬)の品質に不安を持つ医師が5年前と比べて増加していることが、医療専門の調査会社「ティー・エム・マーケティング」の調査で明らかになった。特に、使用実感に基づく効果面への不安が最も多く、医師はGE薬に関する情報提供とサポート体制の充実を求めていることが浮き彫りになった格好だ。
調査は2008年3月、約1900人の医師を対象に、日本の医療全般に関するアンケートとして行ったもの。その中で、GE薬に対して、「品質について不安がある」と回答した医師は63%おり、03年の41%に比べて大幅に増えていた。「安定供給について不安がある」との回答も53%に上っていた。
そこで6月に、これら医師を対象に追加意識調査を実施し、GE薬が先発品に比べて劣ると感じる要素を挙げてもらったところ、慢性疾患の経口薬で56%が「効果が劣る」と感じているなど、効果に関する指摘が最も多いことが明らかになった。
先発品と比べて効果の弱さを認識した理由については、「医師自身が経験した」「処方患者からの意見」との回答が約8割に上っており、他の医師からの伝聞やイメージである割合は低かった。
一方、実際にGE薬の供給で問題を経験したことがあるかを聞いた結果、「経験がない」との回答が過半数に上ったが、99床以下の医療施設では、19%が「納入が遅れた」、33%が「製品の供給を中止されてしまった」と回答するなど、供給上の問題を経験した医師も少なくない状況が見られた。
さらに、GE薬に対する懸念・不安の自由回答によると、▽データや情報が少ない▽メーカーのサポート体制がない▽副作用発生時の責任の所在▽処方ミスの懸念””などが多く挙げられており、医師はGE薬の製品情報やサポート体制の充実を求めていることが分かった。
調査結果を受け同社は、「医師1人当たりのGE薬使用症例数が増加する中、GE薬の情報が不十分であることが、品質に対する医師の不安を増長させている可能性が示唆されている」と分析。「GE薬が医師・患者により貢献度を高めようとしている今、質の高い情報提供とサポート体制の早急な整備が必要になったと言えるのではないか」と指摘している。
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