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日米両国が要求する規制改革への取り組みと要望事項をまとめた、「日米規制改革イニシアチブ報告書」が公表された。医薬品分野では薬価制度改革について、特許(再審査)期間中の薬価を維持するといった業界案を含め、「意見を表明する機会を、米国業界を含む業界に引き続き与え、厚生労働省はその意見を考慮するものとする」と明記された。また、焦点となっている市場拡大再算定の見直しや、今後の検討課題となっている頻回改定に関して米国政府が「強い反対を表明している」ことに対し、厚労省は「留意する」とした。
これは、前年に両国政府が要望書を交換し、その後の協議を踏まえ両国首脳に報告するもの。今回で7回目となる報告書は、洞爺湖サミットに合わせて6日に行った日米首脳会談に向けて取りまとめられた。
その中で医薬品分野では、日本が医療制度改革を行う際は、「米国業界を含む業界は、厚労省に対して意見を表明することができ、厚労省はその意見を考慮するものとする」と明記。薬価制度について検討する中央社会保険医療協議会薬価専門部会の委員について、「国籍に関係なく適当な候補者を選出する」とした。
米国業界の意見を考慮するとした薬価制度改革では、焦点の市場拡大再算定の見直しについて、米国政府の反対に留意しつつ、「厚労省は、米国業界を含む業界と、市場拡大再算定の問題について引き続き議論を行う」とした。また、米国政府が反対している頻回改定についても、「米国業界を含む業界が、厚労省及び中医協に対して意見表明する機会を引き続き提供する」とした。
報告書に対し米国研究製薬工業協会(PhRMA)のビリー・トーザン理事長兼CEOは、「日本政府が示した、医薬品へのイノベーションの価値とタイムリーなアクセスを考慮した薬価設定を進める姿勢を歓迎する」との声明を発表した。また、市場拡大再算定、頻回改定に対し、イノベーションを阻害するものだとし、導入を反対している米国政府に対し支持を表明した。
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