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厚生労働省医薬食品局安全対策課は、23日に「医薬品・医療機器等安全性情報・第248号」を発表。不整脈治療薬の塩酸ベプリジル(商品名「ベプリコール錠」=シェリング・プラウ)が、致死的な間質性肺炎の副作用を発生する恐れがあるとし、医療関係者に注意を促した。
同剤は1993年12月に発売され、これまでも間質性肺炎は副作用として記載されていたが、死亡する場合もあり得ることを明確にした。添付文書は既に改訂されており、「重要な基本的注意」の項に「間質性肺炎(投与開始4カ月以内に多い)が現れることがあり、致死的な場合もあるので十分に観察し、定期的に胸部X線等の検査を実施すること」と明記した。
安全対策課とシェリング・プラウは、年間の使用患者数や間質性肺炎の発生例数などの詳細は明らかにしていないが、同課は「症例が集積され、特に注意が必要な時期などが分かったため、添付文書の改訂などによる注意喚起が必要と判断した」としている。
医薬品医療機器総合機構ホームページに掲載されている症例リストを見ると、98年度から05年度までは年間002件程度だったが、06年は8件、07年は10件と増加している。そのうち、薬剤との因果関係が否定できない死亡例は、07年に1例(70歳代男性)、06年に1例(80歳代男性)あった。
不整脈治療薬では、ベプリジルのほか塩酸アミオダロンでも、間質性肺炎が発現することが知られている。これらは間質性肺炎など致死的な副作用が報告されていることから、「他の抗不整脈薬が無効か、または副作用により使用できない致死的不整脈患者にのみ使用すること」と警告欄で注意喚起している。
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