“
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は7月31日、医薬品医療機器総合機構の審査で効能を追加することを認めた2成分の報告を受け、了承した。来月中にも正式に承認される見通し。
報告品目
◇「タキソテール注」(サノフィ・アベンティス):有効成分はドセタキセル水和物。効能・効果に前立腺癌を追加し、用法・用量に「1日1回、75mg/m2(体表面積)を1時間以上かけて3週間間隔で点滴静注」を追加する。
手術、放射線療法、ホルモン療法を行っても再発するなど、効果が見られない場合に対する化学療法に用いる。海外では2004年に欧米で承認され、日本では07年2月に承認申請し、有効性も認められていることから、優先審査扱いしてきた。
◇「クラリス錠200」(大正製薬)、「クラリシッド錠200mg」(アボット・ジャパン):有効成分はクラリスロマイシン。効能・効果に「マイコバクテリウム・アンビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症」を追加し、用法・用量に「1日800mg(力価)を2回に分けて経口投与」を追加する。
抗HIV薬「マラビロック」をオーファン指定
また、米ファイザーで開発された新しい作用を持つ抗HIV薬マラビロック(海外名「セルゼントリー」)を、希少疾病用医薬品に指定することが決まった。欧米で既に昨年承認されている。抗HIV薬は申請され次第、海外臨床データで迅速審査することになっており、早期承認が見込まれる。
マラビロックが予定する適応は「CCR5指向性HIV”1感染症」。ウイルスの増殖過程に作用する既存の逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤とは異なり、同剤はHIVがT細胞に入り込む際の足がかりとなるCCR5コレセプターを遮断し、ウイルスの侵入を防ぐCCR5拮抗薬。
同部会では、非核酸系逆転写酵素阻害型(NNRTI)の抗HIV薬エトラビリン(申請者・ヤンセンファーマ、海外名「インテレンス」)も指定が決まった。米国では今年承認された。インビトロ試験ではNNRTI耐性HIV株に対して、抗HIV作用が観察された。
“