日本チェーンドラッグストア協会会長 池野隆光
2020年、いよいよオリンピックの年となりました。オリンピック・パラリンピック、大阪万博など国際的な行事が続きます。国の威信をかけた行事であり、成功させなければなりません。わくわくするイベントに列島が感動に揺れることでしょう。
しかし、JACDSはこれらにあまり関与しているとは言えないのではないでしょうか。ドラッグストアとして何ができるのか、またはJACDSとして何ができるのかを考えることが大切だと思います。
ドラッグストアにとって、今日の成長は将来を約束するものではありません。「尊敬される企業集団日本チェーンドラッグストア協会」を目指すためには、「社会課題の解決への取り組みが、企業の持続的な成長につながる」という考え・行動が大切であります。SDGsが重要であり、買物袋の削減・有料化にも積極的に取り組み、自らも環境を守る行動を起こす必要があります。また、環境保全や廃棄物低減等、持続可能性に配慮した製品の価値をお客様と共有して、それに基づいた商品を積極的に各売するなどの行動を示す時が来ていると思います。小売業のリーダーとしての役割を担っているという思いで邁進いたします。
心豊かさの象徴でもある国民皆保険制度は高齢化の波により、治療・介護で46兆円という膨大なコストになっています。われわれは健康ハブステーションとしての機能を付加し、店舗と人にコストをかけて、それぞれの地域で生活者の豊かな健康生活に寄与していくことを常に念頭に置きたいと思っています。
JACDSの薬剤師は治療薬の供給だけでなく、「食」と合わせて健康支援を行うことを実践し、「肉体的不健康の治療だけでなく精神的不健康のサポート」に取り組まなくてはなりません。健康情報は溢れていますが、いざ自分のことになると迷ったり不安になったりするものです。
今こそ、OTC医薬品や栄養について、薬剤師や医薬品登録販売者、管理栄養士はお客様の立場に立った情報提供を積極的に行うべきだと思います。原点に立ち返り、お客様の健康サポートを行うドラッグストアを目指して、さらなる事業活動を進めていきます。