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「医療事故情報収集等事業年報」を公表
日本医療機能評価機構は13日、全国の医療機関で起きた医療事故やヒヤリハットの状況を調べた2007年「医療事故情報収集等事業年報」を公表した。報告義務のある医療機関から報告された医療事故の件数は1266件で、うち薬剤に関するものは77件と全体の6・1%を占めた。その内容としては、実施段階の薬剤量間違いが最多であった。ヒヤリハット事例を発生場面別に分けると、「処方・与薬」が22%と最も高い。
医療事故事例を報告しているのは、国立高度専門医療センターや国立病院機構、大学病院本院など報告義務がある273施設と、任意参加の285施設。
事故事例が最も多く報告されたのは、事業開始以来初めて「療養上の世話」となり、441件(34・8%)だった。従来、最も多かった「治療処置」は379件(29・9%)となった。ドレーン、チューブ等の「医療用具等」が10・0%、「薬剤」が6・1%と続く。
事故の程度をみると、「障害残存の可能性がある(低い)」が559件(44・2%」と最も多く、「障害残存の可能性なし」が187件(14・8%)、「障害残存の可能性がある(高い)」の163件(12・9%)と続き、「死亡」は142件(11・2%)となっている。「障害なし」は86件(「6・8%)だった。
「障害残存の可能性がある(低い)」以上の報告事例の中で、薬剤に関連する事故の発生場面として多かったのは、「静脈注射」だった。
一方、この事業では専門家部門により、個別テーマごとの分析も行っている。薬剤に関連する個別テーマで98件の事故の発生段階を調べたところ、「実施段階」33件、「指示段階」30件、「準備段階」が21件だった。事故の内容を見ると、指示段階の薬剤量間違いが18件、準備段階の薬剤間違いが12件、実施段階の薬剤間違い12件、実施段階の薬剤間違いと対象者間違いが8件ずつだった。
ヒヤリ・ハット事例では、参加登録医療機関は1281施設で、うち定点医療機関が240施設だった。全体の件数は20万9216件で、うち「処方・与薬」が4万6056件で22%と最も多く、調剤・製剤管理は5953件で2・8%だった。処方・与薬が多い傾向は変わっていない。
当事者の職種は、看護師が一番多く17万3485件、医師が8026件で薬剤師は3番目の5925件だった。
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