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◆ある薬大関係者と話をする中で、モンスターペアレント(MP)に話題が及んだ。この言葉は、学校等に理不尽な訴えや要求を繰り返す保護者を総称した和製英語。これまで小学校などで、給食費の支払い拒否などが社会問題になっている
◆その薬大でも、ある科目で落第点を取った学生の親から、担当教授に直接抗議の電話がかかり、挙げ句の果てには「試験問題に欠陥がある」とまで言い始めたという。この類のクレームは近年、増加する傾向にあるともいう
◆この現象を「消費者意識の暴走」と見る向きもある。教育をサービスとして捉え、全て同じように扱われなければ、我慢できない親が増えているとの見方だ。MPは、これまでは幼年期の教育現場での社会問題だった。それが、大学教育の現場にまで及んできたということか
◆特に薬学教育が6年制になり、薬剤師資格の取得までには相当な学費が必要。さらに昨今の薬大新設ラッシュで、薬学部への入学者も増加している。これとMPを関連づけるのは、早計かもしれないが、大学側も昨今の社会情勢を読みつつ、薬学教育を施していく必要性に迫られる可能性はある。