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【医薬品開発の新潮流~プロセス変革を担うテクノロジー~】3Hクリニカルトライアル/3Hメディソリューション(3H P-Guardian)

2020年04月24日 (金)

ePROで癌患者サポート

3H P-ガーディアン

 3Hクリニカルトライアルは、患者や医療、医療現場ニーズに対応したePRO(電子患者日誌)「3H P-ガーディアン」の提供を開始した。患者向けに癌情報サイト「オンコロ」などの医療メディアを運営してきた経験に基づき、患者や医療者、統計者との協力を得て安価に利用できるePROを開発した。研究者にはePROを用いた臨床研究の設計、患者に対しては自身の病態を理解する支援ツールにし、製薬企業の製造販売後調査などへの導入を目指す。今年中にはオンコロウェブサイトやEHRサーバ、PHRサーバ、ウェアラブルデバイスとも連携し、ユーザー数を癌患者の約1%に相当する約1万人まで集める計画だ。

 同社はオンコロなどのメディアを運営し、患者向けに治験や臨床試験を中心とした医療情報を提供してきた。現在ではヘルスケアメディアから派生し、医療と最新のテクノロジーを融合した「ヘルステック」を活用したソリューションも強化している。

 癌治療をめぐっては、医師は患者の日常状態を把握することが難しく、患者も自身の状態を医師に正確に伝えられないため、日常での症状悪化の兆候や治療の副作用といった有害事象に対し、医師が十分に対応できない課題に直面している。さらに、癌薬物治療時における医療者と患者間での有害事象評価では不一致が見られており、リアルタイムで患者自身のアウトカムを取得可能なePROの必要性が高まっていた。

 同社は患者、医師、研究者の協力によりePROを開発した。研究者はIT技術がなくても患者への質問項目を決めることができ、主要な国際標準スケールのもと入力許容範囲も設定できる設計になっている。研究者ニーズに対応し、医師主導研究でも使える安価なePROとなっている。

 一方、患者に対しては癌患者100人以上を対象とした実証試験で入力率や使用感を確認。患者の家族や医療従事者などに未入力アラートや症状アラートをメールで通知できる見守り機能や患者と医療従事者側が双方向でやり取りが可能な患者日誌機能を実装した。患者の属性やそれぞれが参加している臨床試験に応じてスマートフォンから必要な情報も取得できる。

 そのほか、ePRO機能を応用して、コロナウイルス感染で認められる「体温」「咳の程度」「息切れ」「筋肉痛」「倦怠感」などの症状を在宅でも確認可能な機能もあり、コロナウイルス感染スクリーニングにも使えるようにした。

 年内にはウェアラブルデバイスや医療機関の電子カルテ、臨床試験データを収集するEDCシステムとも連携を予定。当面はアカデミアで実施する臨床研究に加え、製薬企業での製造販売後調査、メディカルアフェアーズ部門での調査などでの利用を想定している。今後、ユーザーから出てきた意見を参考に必要な機能を順次追加し、ePROで集積したデータと患者PHRレジストリ、EHRサーバなどとの連携、人工知能のアルゴリズムも実装を目指す。

 可知健太取締役副社長は、「将来的には企業や医療機関、患者をつなぎ、それぞれの人たちの属性に応じて必要な情報をすぐに届けられるプラットフォームにしたい」との考えを示している。

3Hクリニカルトライアル/3Hメディソリューション(3H P-Guardian)
https://3h-ms.co.jp/pguardianlp



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