◆新型コロナウイルス感染症治療薬として、抗インフルエンザ薬「アビガン」が脚光を浴びているが、やや前のめりな状況が気になる。薬害オンブズパースン会議が警告しているように現状はどう見ても「過剰な期待」を集めている状況である
◆アビガンは「タミフル」との比較で非劣性を示せず季節性インフルエンザの承認を取得できなかった事実があり、催奇形性という副作用の問題もある中で、観察研究として例外的なルートで承認取得へと進んでいる
◆そもそも国際的に厳格な基準が決められている医薬品の承認審査に対し、何とか柔軟にできないかと方策を探る異例の事態となっている。さらに厚生労働省からは、治験の資料なしでも承認する可能性があるとの通知が発出された
◆レムデシビルの特例承認も第III相試験結果と米FDAの緊急使用許可を根拠としており、本来はアビガンの治験結果を待たなければならないが、今月中の承認は既定路線のように感じる。将来に禍根を残さないためにも、その影響をしっかり見極めていくべきだ。
「過剰な期待」集めたなかで
2020年05月15日 (金)
‐AD‐
この記事と同じカテゴリーの新着記事
HEADLINE NEWS
新薬・新製品情報
人事・組織
企画
寄稿