中外製薬は、新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎の重症入院患者を対象とした自己免疫疾患治療薬「アクテムラ」の海外第III相試験「COVACTA試験」で、主要評価項目である臨床症状の改善を達成できなかったとするトップライン結果を発表した。主要な副次評価項目である死亡率の低下も未達となった。良好な結果が出れば年内申請を目指す予定だったが、厳しい結果となった。今後、詳細なデータを解析し、開発方針を決める予定。
COVACTA試験は、肺炎による成人入院患者を対象に、標準的な医療措置にアクテムラ静注内投与の上乗せ効果を比較して検討する二重盲検プラセボ対照国際共同第III相試験で、欧米とカナダで実施されている。その結果、主要評価項目は達成できなかった。4週目時点で、7段階に分けた順序尺度を用いて評価した臨床状態において、アクテムラ投与群とプラセボ投与群で統計学的な有意差が認められなかった。
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