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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】オリーブ薬局(ノアメディカルシステム)

2020年07月31日 (金)

タブレットで電子薬歴作成‐出先で活用、写真機能駆使

(左から)渡邉氏、満生氏、三井所氏

(左から)渡邉氏、満生氏、三井所氏

 オリーブ薬局(福岡市)は、電子薬歴データをタブレットに出力して外出先で閲覧・作成できるシステムを導入し、在宅業務や多職種連携に活用している。持参資料の削減や外出前の準備簡素化、訪問先での情報収集や薬歴作成など業務の効率化に役立てている。特に撮影した写真を薬歴に紐づけて記録できる機能を用いて効率的に情報を収集し、スタッフ間で視覚的に情報共有できるのが利点。客観性の高い情報を即座に提示・共有でき、医師や看護師ら他の医療従事者からも好評だ。

オフラインで利用可能

 同薬局は1997年6月に開設。道路を挟んで向かいにある長尾病院を中心に、近隣のクリニックなど約60医療機関の処方箋を月間で約1800枚応需している。内科や循環器科、腎臓内科などを受診する70代以上の高齢患者が多く、薬剤師9人、事務員4人体制で対応。地元公民館で定期的にお薬教室を開催するなど、地域に根ざした薬局として活動している。

薬歴の表示画面、写真を記録できる

薬歴の表示画面、写真を記録できる

 在宅業務に取り組み始めたのは約10年前から。現在の訪問先は市内外の個人宅約20軒、老人施設2施設で、月間の訪問回数は約40回程度。患者一人ひとりに合ったきめ細かい対応が好評だ。時間と労力がかかる個人宅での在宅医療は人手不足などを理由に辞退する薬局もあるが、管理薬剤師の渡邉邦宏氏は「地域患者の受け皿として何ができるかをスタッフ皆で考えることが重要」と語る。

 外来業務の合間を縫ってサービス担当者会議やカンファレンスにも積極的に参加。多い月で10~15回ほど参加し、訪問看護師ら地域の多職種と顔の見える関係を構築してきた。この縁でケアマネジャーなどを経由して在宅業務の依頼を受けることも多いという。

 こうした取り組みをより強化する目的で、半年ほど前からノアメディカルシステムの「イースマートノア」を使い始めた。同薬局には、同社のレセコンと電子薬歴システムが導入されている。訪問時に薬剤師は、入居施設など設定条件に合う患者の薬歴データをWi-Fiを通じて電子薬歴システムからタブレットに出力し、独自の暗号化処理をかけ保存。外出先ではオフラインで電子薬歴を閲覧、作成できる。インターネット接続を必要としないため、処理待ち時間が短いという利点がある。薬剤師ごとにアカウントを設定し、タブレット2台をスタッフ間で共有。データの出力人数に制限はないという。

訪問先の空き時間で薬歴を作成

訪問先の空き時間で薬歴を作成

 渡邉氏は「オンラインで薬歴を作成できる製品は他にもあるが、患者宅や施設、病院の通信状態は不安定な場合がある。通信環境を必要としないことが非常にありがたい」と語る。セキュリティー対策が万全で、個人情報の漏洩リスクを低減できることも導入の決め手となった。

 外出先でタブレットに入力した情報は、薬局内に持ち帰ってボタン一つで電子薬歴システムにアップロードできる。これまでは現場で手書きメモを作成し、薬局に戻った後に電子薬歴に入力していた。訪問先に持参していたA4サイズほどの患者ファイルを持ち歩く必要もなくなり、外出前の準備を簡素化できた。

 使う場所や姿勢に合わせて、通常のタブレットモードのほか、ノートパソコンのように使用できる「ラップトップモード」に切り替えられる。キーボードやタッチパネルで情報を打ち込みつつ、予め登録しておいた文章を引用する定型文機能と組み合わせて、外出先で効率的に薬歴を作成できる。

在宅業務に力を入れるオリーブ薬局

在宅業務に力を入れるオリーブ薬局

 薬歴の充実にフル活用しているのが、タブレットのカメラで撮影した写真を患者情報に紐づけて記録できる機能だ。

 薬局内では、服薬指導時に参照した資料や検査値用紙などをそのまま写真で残しておくことで、担当薬剤師以外のスタッフが過去の服薬指導の過程を把握しやすい。

 在宅医療の現場では、訪問看護師の看護記録用紙や残薬、患者のケガや褥瘡の状態などを撮影。そのまま薬歴に患者情報の一部として残す。以前から写真は撮影していたが、患者ごとに紐付ける手間や時間が負担になっていた。渡邉氏は「写真を撮ることで、書くよりも多くの情報を効率的に取得できる。また、濃い薬歴を短時間で作成できる」と手応えを語る。

 地域の多職種が集まるサービス担当者会議や退院時共同カンファレンスにもタブレットを活用している。質問を受けた時に時系列で薬歴を確認できるため、的確に回答できる。撮影した写真を見せることで、医師や看護師ら多職種へ客観性の高い情報を即座に提示できる。調剤統括の三井所尊正氏は「表現能力は人によって異なり主観が混じってしまうが、写真を使えばばらつきを減らせる。口頭で説明するより見せたほうが早い」と話す。

 同薬局を経営する薬剤師の満生清士氏は「これからの薬剤師はやはり外に出て行くべきだ。在宅業務や多職種連携をどれだけできるかが問われている。患者情報を全て頭に入れておくことは難しいが、タブレットが武器になる。引き続き地域に根付いた薬局として信頼関係を構築していきたい」と語る。

オリーブ薬局(ノアメディカルシステム)
http://www.noah-medical.jp/web/index.html




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