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合弁会社設立で合意し、握手するテバ社
のヤナイCEOと興和の三輪社長
世界最大のジェネリック医薬品(GE薬)企業であるイスラエルのテバファーマスーティカル・インダストリーズと興和は24日、都内で記者会見し、両社が50%を出資して新たな合弁会社「興和テバ」を設立する戦略的提携に合意したと発表した。合弁会社は2009年初旬に操業を開始し、日本のジェネリック市場に本格参入する。15年までに売上高1000億円以上を目指し、日本のジェネリック医薬品市場のシェア10%を確保したい考えだ。
テバは、世界60カ国以上にGE薬を販売し、50カ所の製造拠点を持つ世界最大のGE薬企業。2月には、12年までに事業規模を倍増し、200億ドルの収益を達成する戦略目標を発表している。
一方、興和は、高脂血症治療薬「リバロ錠」を中心に医療用医薬品のグローバル化を推進してきたが、GE薬を新たな事業の柱に加えることで、医療用医薬品・OTC薬・GE薬を扱うフルラインメーカーとして生き残りを図る姿勢を鮮明にした。
設立する新会社は、テバが持つ世界的なジェネリックの専門知識、豊富な製品ラインナップと、興和の日本における豊富な医薬品事業の経験を融合し、GE薬の開発・マーケティングに集中した事業を展開する方針だ。
テバのシュロモ・ヤナイ社長兼CEOは、戦略的提携に至った背景について、「3年以上にわたって日本市場の分析を行ってきた結果、われわれが参入する最大の機会と考えた。それを踏まえ、興和の企業文化や経営陣の考え方がわれわれと一致し、ベストパートナーとの結論に至った」と説明。その上で、「合弁会社は日本市場で高い専門性を生かし、ジェネリックの普及促進によって日本の医療に貢献する機会にしたい」と抱負を語った。
興和の三輪芳弘社長は、「テバ社とわれわれのノウハウを融合することで、日本のジェネリック市場に効果的に参入し、新薬メーカーとして高品質で安心できる製品の提供に貢献できる」と指摘。「医療用医薬品・OTC薬・GE薬の3本柱でバランスの良い成長を遂げていきたい」との方向性を明確に示した。
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