九州、中国エリアで展開するアステム(本社大分市、社長吉村恭彰氏)と近畿エリアで展開するケーエスケー(本社大阪市、社長深田一夫氏)の医薬品卸2社は、9月29日に業務提携を締結した。これにより両社は、2005年11月から参画する「葦の会」で培ってきた同業者間の広汎な業務提携を基盤として、近畿から九州の西日本エリアの営業インフラを、さらに強化する方針だ。
業務提携の目的について、両社は「企業戦略の近似性を強く認識し、事業展開区域の重複がないことや比較的展開エリアが近く、営業・物流面で協業の余地があり、収益機会の拡大の可能性を追求できると判断した」としている。
業務提携では、▽西日本における両社の営業インフラ強化のための協業分野の研究▽病院向け医療安全ソフト「セーフマスター」をはじめ、病院向けIT商品及び情報サービスの共同展開▽新規事業に関する共同研究及び有望ベンチャー企業への共同出資▽営業情報ライブラリーの共同活用、社員研修の共同運営などによる人材育成プログラムの充実・強化▽人材交流‐‐を進めることにしている。今後、両社で業務提携委員会を組織し、具体的な内容の検討・計画策定を行う。
「セーフマスター」は、アステムが開発する医療機関向け医療安全管理集中システムで、すでに全国代理店網を整備し、大病院での導入実績も軌道に乗りつつあり、近畿エリアでもケーエスケーを通じて医療機関への導入を図る考え。このほか、アステムが04年4月に導入した、プロモーション契約をメーカーと交わすビジネスモデル「Mr会援隊」なども、両社で取り組んでいく。
両社の08年3月期決算(連結)は、アステムが売上高3674億0600万円、経常利益75億5300万円、当期純利益40億6400万円。ケーエスケーが売上高2413億6400万円、経常利益32億3000万円、当期純利益19億4100万円。