微量血液検査システムを発売”世界初のμTAS測定チップを使用 ローム、ウシオ電機、三和化学研究所

2008年10月03日 (金)

バナリストエース
バナリストエース

 半導体大手のロームと光学機器大手のウシオ電機、三和化学研究所の3社は、世界初の液体試薬使用μTAS(マイクロタス)測定チップを使った微量血液検査システム「バナリストエース」を30日から新発売すると発表した。半導体開発で培ったロームの最先端微細加工技術、ウシオ電機の光学・精密アライメント技術、三和化学の診断薬分野のノウハウを結集し、6年の開発期間をかけて完成した。販売を担当する三和化学は、2010年度には販売額6億2000万円を目指す方針だ。

 分析装置とCRP(通常濃度用)測定チップの「バナリストエースCRP」は30日から販売を開始するが、CRP(低濃度用)測定チップの「バナリストエースhsCRP」は12月、HbA1c測定チップの「バナリストエースHbA1c」は来春に発売を予定している。

 バナリストエースは、微量な全血で短時間に高精度な測定が可能な微量血液検査システム。小型分析装置と測定チップから構成され、炎症マーカーのCRP(通常濃度用、低濃度用の2種類)と血糖管理マーカーのHbA1cを測定することができる。

 従来の大型分析装置では、成人で1mL、新生児で0・5mLの静脈血が必要で、特に新生児では体重に比べて採血量が多いため問題があった。新たに開発されたCRP測定チップは、4μLと微量の採血で検査できるのが大きな特徴。また、簡単な操作に加え、高精度な検査結果がその場で判明するため、測定時間が7分と大幅に短縮した。

 今後3社は、2種類のCRPとHbA1cに加え、感染症マーカーと敗血症マーカーで小児科領域への展開を目指す。さらに、糖尿病性腎症マーカー、心筋梗塞マーカーで糖尿病・循環器領域、前立腺マーカーで癌領域に展開を拡大し、2012年までに領域別にシリーズ化した検査項目を開発していく方針だ。これにより、最大10項目の測定を可能にする。

 三和化学は当面、小児科領域をターゲットに、開業医と大病院のNICU(新生児集中管理室)へのCRP測定チップの販売に注力する。また、HbA1c測定チップは、自己血糖測定器「グルテスト」シリーズ、糖尿病治療薬「セイブル」と合わせ、糖尿病領域トータルとしての販売展開を狙う。親会社であるスズケンのMS3500人を中心に販売を進める。

 バナリストエースは、初年度の販売目標を分析装置80台、測定チップ4万個、売上高1億2500万円とし、10年度には分析装置530台、測定チップ77万個、販売額6億2000万円を目指す。

 希望小売価格は、分析装置が156万円、バナリストエースCRPが50テスト用8400円、バナリストエースhsCRPが10テスト用3780円、バナリストエースHbA1cが10テスト用5250円(全て税込み)



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