塩野義製薬の手代木功社長は10月30日、大阪市内で開いた中間決算説明会で、新型コロナウイルス感染症ワクチンの第I相試験を当初計画通り年内に国内で開始すると発表した。根拠の一つとして「小動物の感染モデルで明確な重症化予防効果を確認できた」と明らかにした。年明けには国内で第II相試験を開始し、来年2~3月にはグローバルで数万人規模の第III相試験を開始する計画。手代木氏は「開発は比較的堅調に進んでいる」と語った。
ワクチンを接種した小動物に新型コロナウイルスを感染させて10日間経過観察する実験系で効果を確認した。アジュバントのみを投与した群では感染6日後までに全例が死亡したが、ワクチン投与群では全例が生存し、感染に伴って減少した体重も回復した。手代木氏は「重症化予防という点で非常に良い効果が出た」と強調した。
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