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【遠言近言】長寿・高齢化、そして少子化、世界一となる‐河合忠

2006年7月25日 (火)

河合忠(国際臨床病理センター所長・自治医科大学名誉教授)

―アジア地域での解決の先導役になれるか

 6月30日総務省は05年国勢調査速報を発表し、わが国は長寿国世界一に加えて高齢化と少子化でも世界一となった事実が明らかとなった。かってどの国も経験したことのない社会にどう対応すべきか。もちろん、国の行政的戦略による適切な対応が必要であるが、国民一人一人が問題点を真剣に認識し、自己中心的な現代世相から脱却し、国内外における相互扶助の生き方を実践することが大前提ではなかろうか。

 2006年4月、WHO(世界保健機関)は2006年版の「世界保健報告」を発表した。それによると、04年の統計で平均寿命が一番長いのは日本、モナコ、サンマリノの82歳で、日本は「長寿世界一」である。さらに男女別では、日本女性の86歳が最長、男性では日本、アイスランド、サンマリノが79歳で最長寿である。

 他方で、世界192カ国の中、最も平均寿命が短いのはジンバブエの36歳、アフリカの26カ国とアフガニスタンの計27カ国は50歳未満だという。筆者が5月中旬に訪問したセネガルは西アフリカ地域でも保健衛生状態が比較的良いといっても平均寿命は約55歳という。その背景には、マラリア、エイズ、乳児下痢症、結核などによる若年者の死亡がある。

 今回の総務省による発表では、高齢化が一層進み、日本の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は21.0%、遂にイタリアを抜いて世界一となり、しかも高齢化のスピードがどの国よりも速く00年から481.5万人増加している。このままのペースで進むと2030年には高齢者の比率は30%に達すると予想されている。

 一方、少子化も進み、15歳未満は人口の13.6%を占め、世界一低い比率となった。注目すべきは、高齢化のスピードに関しては、中国、韓国などアジア地域の国々も日本の軌跡を後追いしていることである。特に中国は日本の約13倍の人口を抱えていることを考えると、高齢化に伴うさまざまな問題は桁外れに大きくなると懸念される。 国家間の“歴史的認識の違い” にいつまでも拘っていては、アジア共通の課題のマクロ的解決が遅々として進まないのではないか。21世紀の動向を握る大国BRIC(ブラジル・ロシア・インド・中国)はどう動くのであろうか。




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